進む自動化、進まないリアルタイム入札。米国OHH広告業界RTB取引移行への壁とは

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米国デジタルOOH(Out of Home/交通広告や屋外広告など)の大手広告メディアネットワークは、アドテクを利用して業務の自動化を進めつつも、RTBの導入にはまだ消極的なようです。

digital_billboardphoto credit: Diego3336 via photopin cc

大手3社でシェア50%越えの米国OOH広告業界

米国のOOH広告管理シェアは

  • Clear Channel Outdoor (19%)
  • Lamar Advertising (18%)
  • CBS Outdoor (16%)

と大手3社で50%を越えています。また、ニューヨーク本社のADstrucは、OOH広告売買に関わる日々の多大なワークフローを自動化するプラットフォームを提供し、これら米国大手3社とパートナー関係にあります。

Lamar AdvertisingのIan Dallimore氏は「リアルタイムでメッセージを配信出来る技術によって、デジタルビルボード広告の売れ行きも順調に伸びています。現在は1-3日といった短期間のキャンペーンや、TwitterやInstagramのトレンド、天候や交通状況に合わせたキャンペーンの配信を行っています。」と伝えていますが、RTB取引を推進する予定はまだないようです。

OOH広告でRTBが普及しないのはなぜなのか

その理由として、投資銀行顧問会社Peter J. Solomon Co.のMark Boidman氏は、OOH広告といっても形、サイズ、インタラクション時間などが異なること、そして業界大手3社が統一されたOOH広告のパフォーマンス計測方法を提供していないことを挙げています。

また、Lamar AdvertisingのCEOであるSean Reilly氏も、2014年Q2の業績発表の中で、Clear Channel OutdoorやCBS Outdoorがそれぞれプラットフォームを提供している現状ですが、3社共通のプラットフォームを構築する必要性はないという認識を示しています。

大手が動かなくても変化は始まっている

そんな中、ニューヨークの地下鉄駅構内で107の両サイドデジタルパネル、153のデジタルキオスク、数十のデジタルビルボードを管理するMTA(独立公益会社Metropolitan Transportation Authority)が、「プログラマティック・バイイング」と「広範なレポート機能」のオプションを持った新しいコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)情報をベンダーにリクエストしているようです。

さらに、カンザス拠点のFliphoundは、スモールビジネス向けに数時間/数日といった小さなスケールで、デジタルビルボードの広告スペースにリアルタイムで入札出来るサービスを提供しています(1日10ドルから利用可能)。

避けられないプログラマティック取引の波

OHH広告業界に限ったことではありませんが、大手広告メディアが今までのワークフロー(広告管理および入札)を急激に変化させるのは、組織編成からして難しいのは想像に難くありません。

ただ、大手が乗り気ではないとはいえ、今までのオンライン広告の変遷をたどるように、デジタルOHH広告もまたプログラマティック取引への移行が進んでいくでしょう(少なくとも広告主からの需要は年々高まるはず)。

MTAがデジタルOOHのプログラマティック取引(RTB含む)を開始し、Fliphoundのようなサービスが少しずつ浸透していくことで、OHH広告業界もこれから大きく変化していきそうです。

 

参考:
Digital OOH Sellers Automate, But Resist RTB

Lamar Advertising’s (LAMR) CEO Sean Reilly on Q2 2014 Results – Earnings Call Transcript | Seeking Alpha
Clear Channel Outdoor – Innovative Out of Home Advertising Solutions
The Easiest Way to Plan and Buy Outdoor Advertising | ADstruc
Home – Fliphound | Billboard Advertising Has Never Been This Easy

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