もう終わり?それとも始まり?第三者配信アドサーバーの「これから」とは

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adexchanger.comで「第三者配信アドサーバー」をめぐる賛否両論が繰り広げられていたので、今回はそれらコラムの概要をお届けします。

Sanset

第三者配信アドサーバーはもう死んでいる?

Havas Media GroupのRob Griffin氏によると、

  • 第三者配信アドサーバーはもともとメディアによって異なる計測がされてきた広告効果の「正確な解析と最適化の実現(および一括管理)」を目指していた
  • 現在、検索・ソーシャル・コンテンツ管理・リターゲティングなど目的によって異なるプラットフォームが利用されている
  • アトリビューション分析、DSP-DMP活用、ビューアビリティ計測および不正クリック発見の技術が進歩してきた

という観点から、GoogleやFacebookといったパブリッシャー側が提供する第三者配信アドサーバーを使用する利点はなく、Tapadのようなクロスデバイスのトラッキングソリューションを提供するサービスを利用出来る時代において「第三者配信アドサーバーは不要なものになった」と伝えています。

第三者配信アドサーバーの持つ大きな将来性

一方で、Merkle Inc.のMegan Pagliuca氏によると、上記Rob氏のコラムは「そもそもサードパーティクッキーによるターゲティングと計測に欠点があることを踏まえていない」とした上で、「(サードパーティクッキー利用に代わる)より良いターゲティングと計測が可能になることで、アドテク業界のエコシステムは大きく変化し、第三者配信アドサーバーの役割はさらに拡大するだろう」としています。また、

  • Google(Doubleclick Campaign Manager)およびFacebook(Atlas)は多くの「ログインユーザーID」を抱えている
  • それらのIDを利用して正確なクロスデバイスの計測を開始するだろう
  • 現在モバイル利用時間がデスクトップを越えているが、サードパーティクッキーはタブレットやモバイルの環境ではほとんど役に立たない
  • その結果、現在のアトリビューション分析、DSP-DMP活用ではタブレット/モバイルのプレイスメントの価値を正確に把握出来ていない

という点を挙げ、さらにTapadのようなクロスデバイスサービスを提供するスタートアップ企業に関しては

  • 革新的だがそれらのベンダーはマーケターの計測・予算配分・請求システムと統合されていない
  • 未だ業界標準の計測方法が存在していない(業界認定のクロスデバイスプレイヤーが存在していない)
  • マーケターや代理店が理解出来ない方法でしかクロスデバイスレポートを出すことが出来ていない

という理由で、ユーザーが増え続けるモバイルに広告をスケールするのは難しいとし、GoogleやFacebookが(第三者配信アドサーバーを提供しているのは理想的ではないものの)「ログインユーザーID」を利用してサードバーティクッキーに代わるクロスデバイスの計測を実現させるだろうとみているようです。

「正確なクロスデバイス計測を可能にする唯一の方法である第三者配信アドサーバーによって、消費者のメディア接触時間を反映した形で『TVやダイレクトメール』から『モバイル・タブレット・デスクトップ』へ広告予算が大きくシフトするだろう」と、Megan氏はコラムを締めくくっています。

新しい「第三者配信アドサーバー時代」の幕開け?

Facebook(Atlas)が早ければ今年の9月にもGoogle(Doubleclick Campaign Manager)に対抗してDSP機能などをリリースすると言われています。

確かに従来の第三者配信アドサーバーの機能だけであれば、GoogleやFacebookといったメディアが提供するものを使う理由はなさそうですが、これから

  • プレミアムパブリッシャーの純広告
  • リスティング広告
  • DSP/RTBによるプログラマティック取引
  • ソーシャル広告 など

オンラインマーケティングチャネル全てをクロスデバイスで一元管理するための「第三者配信アドサーバー」の開発が、ログインユーザーIDを抱えるGoogleやFacebookを中心にして進んでいくのでしょう。どうやらAmazonもGoogle Adwordsに対抗するサービスを開始するようなので、これからますます面白くなりそうです。

問題は「果たしてどれだけのユーザーがGoogle/Facebook/Amazonアカウントにクロスデバイスでログインしているのか」という所でしょう。

広告主としては「オンライン/オフラインの包括的かつパーソナライズ化されたアプローチ」を今後さらに求めていくと思われます。それを踏まえて、第三者配信アドサーバーを好意的に捉えたコラムを寄稿していたMerkle Inc.(CRMおよびデータベースマーケティングを提供する代理店)は、モバイルレスポンシブデザイン・ソーシャルコマース・SEMなどのサービスを提供する企業買収や、社内のデジタル運用代理サービス部門への1.5億ドルを超える投資など、テクノロジー周りのノウハウ確保と運用態勢の構築を着々と進めています。

Merkle Inc.のCEOであるDavid Williams氏が今後UX改善やサイト最適化といった技術を企業ポートフォリオに追加しようとしている所を見ると、クロスデバイスでユーザーをターゲティングできる技術がコモディティ化した際に「代理店に求められる役割」を見越して動いているように感じます。と同時にVisual IQやAdometryといったクロスデバイストラッキングのツールを使いながら、自社でもトラッキング技術開発を進めているのは、さすが24歳の若さでMerkle Inc.を買収したDavid氏の手腕と先見性といった所でしょうか。

 

参考:
The Death Of The Third-Party Ad Server

Counterpoint: The Third-Party Ad Server Has A Big Future
Facebook Display Ads vs. Google – Business Insider
Merkle: “Addressability Is The Future of CRM”
Merkle: David Williams, chief executive of Columbia-based Merkle, chats about his rapidly growing company – Baltimore Sun

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