10年で利用率22%上昇。広告主によるインハウス・エージェンシー活用時代にマーケターが求めていること

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外部のエージェンシー(代理店)がいいのか、それともインハウスで対応すべきなのか。10年前の2008年と比べて、インハウス・エージェンシーを持つ広告主の比率は42%から64%まで増加していることが、フォレスターとインハウス・エージェンシー・フォーラムの最新の調査で明らかになっています。

画像:In-House Agency Forum – Home

リーマン・ショックが起こった2008年のレポートでは、インハウスでエージェンシーを抱える主な利点は「コスト削減」と「スピードアップ」でした。それらの利点の重要性は今でも変わりませんが、今回の調査に協力した企業325社の25%以上が「ブランド知識」を、また20%が「(グループ企業内における)ビジネス知識」をインハウス・エージェンシーを利用するメリットとして挙げています。「機密性」や「専用のリソース」といった項目をメリットと感じている企業もいますが、「ブランド知識」や「ビジネス知識」ほど重要ではないようです。

10年前と比べて景気が上向きな現在、マーケターの間ではキャンペーンの効果と得られるインサイト、エージェンシーによるブランドやそのブランドのビジネスそのものの理解、そしてクリエイティブなプロセスを管理できる能力に最も関心が集まっています。つまり、以前のようにコストを下げるためにインハウスのエージェンシーを採用するのではなく、「中に入らなければ理解できないこと」をベースに、外部の代理店が提供できるのと同じかそれ以上の付加価値を生み出すことが期待されているということです。

とはいえ、コスト削減も多くの大手企業にとって未だ重要な課題であることに変わりはありません。すでに60%の外部エージェンシーとの取引を打ち切って7.5億ドルの削減に成功し、4億ドル以上のキャッシュフロー改善を達成したP&Gは、これから数年かけ4億ドルを削減するために、外部エージェンシーをさらに半分に減らすことを今年のQ2決算報告にて発表しています。また、ユニリーバも3億ドルほどのコスト削減に成功しているとして、同社の抱える「U-Studio」のようなインハウスのエージェンシー活用を今後さらに進めていく方針です。

全てのコンタクトポイントは、デジタルによってその大部分が可視化されるようになってきました。ここに「ブランド知識」が加わることがとても重要です。なぜなら、キャンペーンにおけるソーシャルのリアクションやアクセス履歴などを細かく見ていく上で、ブランドの深い知識がなければ、それらのデータおよびそこから得られるインサイトを理解しきれないからです。

では外部のエージェンシーが全く不要かと言えば、そうではないはず。インハウスと外部の代理店の併用が重要なのは今後も変わらないでしょう。

参考:
In-House Agency Forum – Research & Resources

In-house Agencies on Rise as Advertisers Seek Services Closer to Home – WSJ
Study: In-house agencies multiply, setting up shop at 64% of advertisers | Marketing Dive
In-Housing, By The Numbers; Tech Firms Lobby For Privacy Standard | AdExchanger

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