AT&TによるAppNexus買収という衝撃。垂直統合を進める通信キャリア参入でどうなるデジタル広告業界

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ついにこの日が来てしまいました。当ブログでも幾度となくAppNexusのIPOの噂についてお伝えしてきましたが、最終的にAT&Tによる買収という幕切れです。

画像:Home | AppNexus

今週月曜日、AT&TがAppNexusの買収を発表しました。買収金額は明かされていませんが16-20億ドルと言われており、同取引はQ3に完了する見込みです。2015年には20-30億ドルの買収額を希望し、2016年11月には評価額15-20億ドルでIPOか、というニュースが流れていたAppNexus。同社は今までにNews CorpやWPP、Microsoftだけでなく、Yahoo! JAPANなどから通算で約3.44億ドルを調達してきました。これほど買収とIPOの噂を巻き起こしたアドテクベンダーはないでしょう。

元AppNexusの役員で、現在AT&Tに所属するBrian Lesser氏は「アドテクは、リアルタイムアナリティクスとテクノロジーを、私たちの持つプレミアムなTV&動画コンテンツとつないでくれます。その(アドテク)市場で最も強いプレーヤー(AppNexus)を見つけました。AppNexusはしっかりとしたスケールのインフラ、高度な技術、そして様々な技術を持った人々を(AT&Tに)もたらしてくれます」と、リリースの中で伝えています。34,000のパブリッシャーと177,000のブランドを抱えるAppNexusは、同氏の率いるAT&Tの広告&アナリティクスチームに統合される予定です。

AT&TはAppNexusのおかげでグローバルなプレゼンスを得られるだけでなく、MicrosoftやNews Corp、さらにはインターナショナルなパブリッシャーであるSchibstedといったセルサイドのクライアントも獲得することができます。Lesser氏は、AppNexusの持つエクスチェンジを利用し、すべてのブロードキャストネットワークをAT&TにつなぎこみたいとBusiness Insiderにて伝えています。

数年前までGoogleとFacebookのデュオポリー(Duopoly)を倒すのは、間違いなくAppNexusしかいないと思われていました。しかし、その地位は徐々にAmazonに取って代わられており、AppNexusにとっても苦しい時期が続いていたことは想像に難くありません。独立系アドテクベンダーとして凄まじい存在感だったにもかかわらず、最終的な評価額が15-20億ドルというのは少し寂しい印象です。

ワイヤレス、動画、ブロードバンドサービスを提供している1.7億人以上のデータを持つAT&Tは、先週タイムワーナーを854億ドルで買収し、コンテンツを手に入れました。そんな同社の傘下で、老舗中の老舗であるAppNexusの技術がこれから遺憾なく使われることは間違いありません。Amazonの台頭によりデュオポリーからトリポリー(Tripoly)を形成しつつあったデジタルテクノロジー広告業界は、着々と買収を進め、垂直統合によって存在感を高めるベライゾン(Verizon)やAT&Tを交えて先行きが混沌としてきました。

参考:
AT&T to Acquire AppNexus

Home | AppNexus
AT&T Will Acquire AppNexus | AdExchanger
AT&T confirms it is buying ad platform AppNexus, reportedly for between $1.6B-$2B | TechCrunch
AT&T wants all the major TV networks to plug into its ad platform – Business Insider

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