コムキャストとディズニーによるFox争奪戦!7兆円を越える買収提案の裏に隠れる仮想敵とは

Pocket
Share on LinkedIn
LINEで送る

AT&Tのタイムワーナー買収を受け、米ケーブルテレビ最大手コムキャスト(Comcast)が、ディズニーとの「21世紀フォックス(21st Century Fox)争奪合戦」を開始したようです。表向きは「コムキャスト VS ディズニー」のようにも見えますが、AT&Tとコムキャスト、そしてディズニーにとっての仮想敵は、Netflixなどシリコンバレーのテックジャイアントでしょう

 

 

画像:Comcast Makes Superior All-Cash Proposal to Acquire 21st Century Fox After Spinoff of ‘New Fox’

先週の水曜日、コムキャストがFoxを650億ドルの全額現金で買収する提案を行いました。これは2017年12月にFoxがディズニーとの間で合意した、株式交換による524億ドルの価格を19%も上回っています。また、買収が実現しなかった場合の保険として、ディズニーと同じ25億ドルの違約金を支払うだけでなく、Foxがディズニーに支払わなければならなくなる15億2500万ドルの違約金についても、コムキャストが負担することを明らかにしています。
ここまで大きな争奪戦を繰り広げる理由は、NetflixやAmazonが従来のTVから視聴者、広告費、そしてクリエイティブなタレントたちを奪っていることでしょう。
コムキャストは、ディズニーの買収提案前にFoxに対して、株式交換による約600億ドルの買収提案を行っています。その際はFoxに断られていますが、今回は何としてでも勝つことを目論んでいるようです。そうなると気になるのは、ディズニーがどこまでその戦いに応じるのか、ということでしょう。Cowen and CompanyのメディアアナリストDoug Creutz氏は「ディズニーのCEOであるロバート・A・アイガー氏が自社の買収提案に対し、ここまで大きな”挑戦”を受けたことはないはずなので、価格面でのどのような反応をするのかを判断するのは難しい」とコメントしています。
アイガー氏は先月の収支報告の際、ディズニーが来年発表する予定のエンターテイメントに焦点を当てたストリーミングサービスは「Foxの資産を当てにしたものでは全くない」と伝えていますが、同社にとってFoxから買収するコンテンツの持つ意味が大きいことは言うまでもありません。
また、Netflixを始めとして、YouTube、Apple、Facebookといったテックジャイアントが毎年何十億ドルというお金を投じてオリジナルのドラマシリーズを制作し、コンテンツおよびスポーツ番組で真っ向から競合しています。そんな中で、コムキャストがFoxを買収することができれば、同社のストリーミングサービスの価値を大きく高めることができるとニューヨーク・タイムズは伝えています。
すでにコムキャストがいくつかのアドテク企業を買収し豊富な広告在庫を抱えているところから見て、広告主にとってはコムキャストがFoxを買収する方が良いと、SteelHouseのCEOであるMark Douglas氏はコメント。「コムキャストが買収したFreeWheelのようなアドテク企業とのインテグレーションによって、Foxの持っている広告在庫はターゲティングがより正確になり、その価値を大きく高めることができるでしょう」と伝えています。
GartnerのリサーチディレクターEric Schmitt氏が言うように、シリコンバレーのテックジャイアントによって、AT&T、コムキャスト、Verizonといったプレーヤーたちは、ネット回線を提供するだけの”土管”プロバイダーに成り下がろうとしています。
ここからどのような戦いが繰り広げられるのか、目が離せません。

参考:
Comcast Makes Superior All-Cash Proposal to Acquire 21st Century Fox After Spinoff of ‘New Fox’

Comcast Offers $65 Billion for 21st Century Fox, Challenging Disney – The New York Times
Comcast Tries To Outfox Disney With $65B Cash Bid For Fox | AdExchanger

The following two tabs change content below.
アメリカをはじめ、海外のデジタルマーケティングに関する情報を 海外の情報源から集め、最先端のトレンドを提供しています。 皆様のビジネスに役立つ記事づくりを目指します。