Google以上の成長を見せるニューヨーク・タイムズのデジタルメディア事業と紙媒体のこれから

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ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)の成長するデジタル売上が話題になっています。CEOのMark Thompson氏が収支報告の中で「広告は未だに重要な収入源の一つだと考えています。ただ、エンゲージメントの高い有料購読者と親密で継続的な関係を作り上げ、そこから得られる長期的な売上に焦点を当てることが、長く続く健全なニュースビジネスを構築する最良の方法だと考えています」と伝えた通り、実際ここ数年で同社の売上構成は大きく変わり始めています。

new_york_times_print_digital_revenue_2017_01画像:The New York Times digital paywall business is growing as fast as Facebook and faster than Google – Recode

Recodeによる上記グラフは左から「広告売上」、「購読売上」、そしてそれらを合わせた「全体売上」を、紙媒体(赤色)とデジタル(水色)でそれぞれ表したものです。紙媒体における広告売上の大きな落ち込みのため、紙媒体の全体売上は減少傾向にある一方、特にデジタルの購読売上が大きく伸びていることで、デジタルの全体売上が大きく上昇していることがわかります。

もう少し詳しく見てみると、2017年(通年)の紙媒体の広告売上は前年同期比で14%減の3.2億ドル、Q4においても8%減の9,800万ドルとなっています。一方、2017年(通年)のデジタルの広告売上は14%増の2.38億ドル、Q4も9%増の8,400万ドルと、Q4においてはデジタル広告が全広告売上の46%を占めるまでになっています。しかし、全体的に見ると、2017年の広告売上は4%減の5.59億ドルという結果となっています。

このような状況の中、ニューヨーク・タイムズが2011年からスタートし、現在順調に伸ばしているのが購読による売上です。2017年末でデジタルのみの購読者数は260万人、そこからの購読売上は通年で3.4億ドル(前年同期比46%増)、Q4は新規で157,000人がデジタル購読を申し込んだ結果、51%増の9,600万ドルとなっています。

デジタルの急成長の結果、紙とデジタルを合わせた2017年の購読売上は10億ドルを超え、ニューヨーク・タイムズの全売上17億ドル(前年同期比8%増)の6割を占めるまでになっています。

規模が違うとはいえ、ニューヨーク・タイムズのデジタル成長スピードは購読売上に限っていえば昨年のFacebookの成長率(47%)と同程度、デジタル全体の売上増加率30%はGoogleの23%を大きく上回っていると、Recodeは伝えています。また、このデジタルの成長スピードによって、ニューヨーク・タイムズの評価額は急上昇しています。同社デジタル部門の評価額は34-49億ドルと言われていますが、この評価はデジタル売上のみをベースにしており、紙媒体のビジネスは考慮されていません。

では今後、紙媒体は切り捨てられてしまうのでしょうか。

2011年からニューヨーク・タイムズのデジタル購読売上は656%増、デジタル広告売上は168%増と好調ですが、紙媒体は縮小する一方です。こうなってくると、近い将来、ニューヨーク・タイムズが紙の事業を完全に捨てる日が来るのかもしれません。

参考:
New York Times Co. Subscription Revenue Surpassed $1 Billion in 2017 – The New York Times

The New York Times digital paywall business is growing as fast as Facebook and faster than Google – Recode

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