ついに動画広告Videologyも身売りへ。アドテク専業ベンダーに残された道はM&Aしかないのか

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動画広告配信プラットフォームVideologyを始めとする初期からのアドテク専業ベンダーは、この所おおむね苦境に陥っています。2017年までに多くの老舗ベンダーが買収されましたが、今年もその流れは続きそうです。

Videology
画像:Videology | Video Advertising Platform

アドテク専業ベンダー達は、この10年ほどの間、VCから資金を調達し事業をスケールしてきました。しかし、ここにきて組織のサイズの”適正化”に舵を切り始めています。その理由はAdExchangerでも伝えられている通り、資本構造の変更、IPOが難しいため”身売り”を行うための準備、事業の効率化、または投資家の機嫌取りといったところでしょう。

今までに2億ドル近い投資を受け、2014年にはIPOを検討していたVideologyもまた、身売り相手を探しているようです。そのためのパートナーとして選ばれたと噂される投資銀行LUMA Partnersは、この件に関してのコメントを拒否しつつも、昨年末には一般論として「2018年におけるアドテク企業M&Aの可能性」といった記事をAdExchangerに寄稿するあたり、その”したたかさ”はさすがです。

その記事の中で、LUMA PartnersのBrian Andersen氏は、アドテクベンダー買収の構図が変わってきていると伝えています。実質的にGoogleはバイヤーではなくなり、中国系のバイヤーも去年まで。電話会社がアドテクバイヤーになっているのは、ベライゾン(Verizon)によるAOL/Yahooの買収からもご存じの通りですが、2018年はマーケティングクラウド企業およびプライベートエクイティが、アドテクおよびマーテック(マーケティングテクノロジー)関連の買収を続けると見られています。また、新たな買収のターゲットとしてCDP(Custumor Data Platform/カスタマーデータプラットフォーム)が挙げられています。まだまだ規模の小さいCDPですが、数年後には他のアドテクベンダーたちと同じ道を歩むことになりそうです。

そんな中、一部では5億ドルという金額を求めていると言われるVideology。同社にとって最も大きなパートナーといえば21世紀フォックスとAT&Tですが、Videologyのツールを利用してデータドリブンな広告オペレーションを構築してきた21世紀フォックスは、ディズニーにその資産の多くを売却しようとしている真っ只中であり、同じくリニアTV(スケジュールが決められた従来型のTV番組放送)の広告をプログラマティックに販売するためにVideologyと協業してきたAT&Tは、アドレサブルTV(セットトップボックスに向けた広告配信)へとその関心を移しているため、どちらもVideologyの買い手になるのは難しそうです。

多くのメディア企業は大きなオーディエンスのデータレイク(データの湖)を抱えていますが、その活用を外部の専業ベンダーに依頼するフェーズは終わっています。DMPやDSPのような機能が本当に必要なら買収して自分たちの資産にしたほうが得策だと考えつつも、そのために多額の費用を払うつもりはないでしょう。

Business Insiderでは、上述のベライゾンの他、米ケーブルテレビ最大手コムキャスト(Comcast)を始めとしてGoogle、アドビ、オラクル、セールスフォース、IBMによる買収の可能性もあると伝えられていますが、ピッタリとハマる企業がないのが現状です。

とはいえ、結局のところアドテク専業ベンダーの生き残る道は”巨人”によるM&Aしかないのかもしれません。

参考:
Videology | Video Advertising Platform

Why Videology And Other Early Ad Tech Companies Streamlined Once They Hit Scale | AdExchanger
Videology, an ad-tech firm that was once loved by investors, is looking for a buyer as Google and other tech giants dominate the industry – Business Insider
Luma Partners’ Brian Andersen Lays Out Ad Tech’s M&A Potential In 2018 | AdExchanger

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