PEファンドから見たアドテク市場の勝算とは?モバイル動画広告プラットフォームBeachfront Mediaを買収

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先週火曜日、独立系モバイル動画広告プラットフォームのBeachfront Mediaを、GCP(Growth Catalyst Partners)とPSP Capitalが買収しました。PE(プライベート・エクイティ)ファンドがスタートアップを買収するというのは、今までほとんど見られなかった動きです。

Beachfront
画像:Beachfront Media – Mobile Video Platform

創立10年、25名の従業員を抱え、既に黒字化して数年になるBeachfront Media。今まで投資を受けてこなかった同社ですが、「事業拡大を加速させるためにプライベート・エクイティと手を組むことを決めた」と、CEOのFrank Sinton氏は語っています。

一方、GCPとPSPは、デジタル広告の自動化がますます進んでいく中、Beachfront Mediaのような独立系プレーヤーを必要とするグローバル広告サプライ・チェーンに参入することを、長期的に見て”買い”だと判断したようです。今後はBeachfront Mediaの提供するプロダクトの機能拡張および、広告収入による動画ビジネスがクロスプラットフォームで順調に成長し続けるよう、多額の資金を提供すると見られています。

Beachfront Mediaは昨年3月の機能アップデートにて、メディエーションインターフェース内でパブリッシャーの優先順位を設定する機能と、取引番号(Deal ID)のセルフサービス化を発表していました。もともとBeachfront Mediaは「クッキーをベースにしたデスクトップ向けサービスではない」ことから、モバイル広告やOTTへの投資を増やしている伝統的なテレビ広告バイヤー達の需要を満たすことができるという主張を続けています。

そこから考えても、今回PEファンドが目をつけた要素として

  • クッキーレス(取引番号/Deal ID)
  • セルフサービス
  • プログラマティック

が挙げられそうです。

消費者へのモバイル普及だけでなく、iOS11によるトラッキング機能を持つサードパーティクッキー排除(ITP問題)や、EUのGDPR(EU一般データ保護規則)およびeプライバシー規則など、様々な側面からの影響を受け、クッキーによる「アドテクエコシステム」は力を失いつつあります。また、独立系アドテクベンダーが成長してきたオープンなプログラマティック市場も、デマンドとサプライの圧力に挟まれ、差益を取るのが難しくなっています。

このような環境の中で、将来有望な企業を買収し、価値を上げ、売却することを生業とするPEファンドが、どのように独立系アドテクベンダーを経営するのか。時代に合った志向を持つBeachfrontが今後PEファンドのもとで大きな成果を出していけるかどうかに注目です。

参考:
Beachfront Media – Mobile Video Platform

PE And Private Investment Firm Team Up To Buy Mobile Video Ad Platform Beachfront Media | AdExchanger
Venture Capital Access Online | Venture Capital News
Beachfront Media Makes Programmatic Buying Easier 03/07/2016

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