クロスデバイスデータの質に関する”真実”を語り続けるオラクル。今までの買収を成功へ導くことはできるのか

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元Datalogixモバイル&動画VPで、被買収後はOracle Data CloudのモバイルシニアディレクターをつとめているJohn Dempsey氏が、クロスデバイスデータの質を考える上で知っておくべき内容のコラムをAdExchangerにて寄稿しています。

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画像:DaaS – Data as a Service | Cloud Solutions | Oracle

Dempsey氏は「決定的(Deterministic)であることと、真(True)であることは、同じではない」とし、クロスデバイスの正確性に関して、業界内で使われている「どれだけのIDが決定的データで、どれだけのIDが確率的(Probabilistic)か」という問いに警鐘を鳴らしています。

いわゆる「決定的データ」というコンセプトは、デバイスのログインを基にした質の高いマッチングからきていますが、子どもが親の電話を使ってFacebookにログインすることや、プライバシーを懸念し”no@email.com”や”no@no.com”のようなランダムな偽メールアドレスを使うユーザー達によって、それらのアドレスが様々な企業のデータベースに保存されている数十万の米国家庭とマッチしている事実を考えれば、ログインがいつも”真実”を伝えているわけではないことがわかります。

実際、業界内のデータベースにおける偽メールアドレスの割合は約15%にも及び、それらのランダムなアドレスによって2つ以上の世帯が紐づけられているため、多くのデータベースにおいては決定的データであっても85%の正確性しか担保できていないと、Dempsey氏は語っています。

以前から当ブログでもお伝えしている通り、FacebookやGoogleでさえ、決定的データだけでは十分なスケールのクロスデバイスグラフが作成できないため、確率的データを利用して予測せざるを得ないのが現状です。

その確率的データの利用に関して理解しておくべき要素は下記の3点です。

1.観察データ(Observation data)−マッチングを予測するために利用する”シグナル”は何か
クロスデバイスソリューションにおいては、IPアドレスやタイムスタンプ、アプリケーションやデバイスタイプなどの関連メタデータを使って、各デバイスを出来る限り多く観察することがベストです。

2. アルゴリズム−どのように予測をおこなっているのか
様々な方法が存在しますが、最も重要なのは「アルゴリズムがどれだけ正確にマッチングを特定できるか」です。

3. 真理集合(Truth set)−何を使ってアルゴリズムの精度を高め、検証を行うのか
真理集合(100%真であると見なされる一連のつながり)は、確率的データ利用の評価に必ず必要なものです。真理集合は確実に”真”であるようにしなければなりません。

FacebookやGoogle、Twitterといったサービスを使う上でユーザーを特定するにはメールアドレスだけで十分だと言えますが、クロスデバイスマッピングによってリターゲティングやフリークエンシーキャップを調整するとなると、メールアドレスによるユーザー特定よりも遙かに高い基準が求められます。

「クロスデバイスデータの質をより”的確”に語るには、全てのデータが0-100%の間で確率的であることを認める必要があります」というDempsey氏。また、クロスデバイスソリューションの質を評価する上でマーケターには求められているのは、どれだけ決定的IDがあるのかを考えることではなく、スケールと正確性のトレードオフの関係に焦点をあてつつ、確実に真理集合が”真”であるようにすること、とコラムをまとめています。

ブランド企業、パブリッシャー、データプロバイダーと、皆が期待しているクロスデバイスのデータとターゲティング。まだオラクルの買収企業がシナジーを生んでいるようには見えませんが、BlueKaiやDatalogixなどのデータクラウド統合を完了し、これから本格的に勢いをつけてくるのでしょうか。

オラクルのデータクラウドによるユニバーサルIDに関しては、今回の記事だけでなく、過去に「アドテク次の本命「ユニバーサルID」はOracleの救世主となるか」や「Oracle、精度2倍のデモグラ情報を持つ2億以上のユニークID提供開始。クロスデバイス計測ではLiveRampと同じ問題に直面か?」といった記事を通じて

・Oracle Marketing Cloud SVP/GM Kevin Akeroyd氏
・Oracle Data Cloud SVP Eric Roza氏
・Oracle Data Cloud SVP/GM Omar Tawakol氏
・Oracle Data Cloud モバイルシニアディレクター John Dempsey氏

のコメントをご紹介してきました。

BluekaiのDMP、Datalogixの購買データといえば、市場で最も老舗かつ有名なもので、理屈の上では、これらの組み合わせは顧客ニーズを抜群に満たすものだと言えます。だからといって、それらを買収することが必ずしもシナジーを生みだし、市場の覇権を握る最短ルートになるわけではないことをオラクルの買収の歴史は証明しています。

参考:
DaaS – Data as a Service | Cloud Solutions | Oracle

The Truth About Cross-Device Data Quality

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