リローンチから1年半。GoogleのDouble Clickに挑んだFacebook Atlasの現状と課題に迫る

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当ブログでも何度も取り上げているFacebookのAtlas。GoogleのDouble Clickに挑むマーケターの期待とは裏腹に、アドサーバーとして本格的に立ち上がっておらず、その挑戦は道半ばとなっています。

Atlas
画像:Atlas Solutions

Facebook Atlasに関するGlobal Adtechの主な過去記事はこちら:

Atlasがリローンチされたのは2014年の9月。当時Facebookは、Atlasを通じてデスクトップ、モバイル、動画広告の配信が可能と伝えていました。しかし、実際プロダクトはそこまで完成しておらず、Atlasをテストしたマーケターや代理店からは、クロスデバイスでの計測は出来るものの、デバイスおよびフォーマットをまたいだ広告配信に問題があるという声があがっています。

Atlasはクッキーの代わりにFacebook IDを利用するため、リーチやフリークエンシーに関して、より正確なクロスデバイス計測が可能になり、その結果、誰がどのような環境で広告を見たのか(例えば「女性向けの広告の30%が男性に表示されている」など)という詳細なインサイトを提供することができます。

しかし、AtlasはアドサーバーでありながらFacebook IDを格納しているDMPでもあり、結果として、期待されたFacebook IDの利用はかなり制限付きとなっているのが現状です。

アドサーバーとしてのAtlas

Facebookに買収された当時のAtlasは、解析とデスクトップへの広告配信に焦点が当てられた必要最低限の機能のみを持つアドサーバーです。そのAtlasのリローンチにあたり、Facebookが重点的に取り組んだのは「Facebook IDを取り入れること」であり、デバイスやフォーマットを横断した広告配信ではありませんでした。

そのため、モバイルアプリへの広告配信機能はまだ開発途中段階となっています。動画広告配信機能に関してはリリースすらされていないため、AtlasのパートナーであるInnovidを使っている代理店も少なくありませんが、複数のアドサーバーを使うことで費用はかさみ、オペレーションは煩雑になり、キャンペーン計測もそれぞれ干渉する恐れがある状態です。

計測ツールとしてのAtlas

このような現状の中、Atlasを純粋に計測ツールとして利用しているクライアントもいます。製菓会社のFerreroは昨夏、ミニオンズ(黄色い宇宙人のようなキャラクター)をテーマにしたTic TacsのキャンペーンにAtlasを利用したところ、無駄/過剰な広告配信を計測することができたため、代理店のアドサーバー(フリークエンシーキャップ確認用)とAtlas(ターゲティング確認用)の併用を始めました。

実際Facebookもリローンチ以降、Atlasの計測ピクセルを試用するよう売り込みをかけています。Atlasが純粋に計測ピクセルとして使われ続けるとなると、AmazonやDisney、AOLなどが使用を禁じている「フォースパーティ(fourth-party)タグ」と分類される可能性もでてきますが、それは大丈夫だろうとAdExchangerは伝えています。

計測ツールとしてのAtlasの問題

冒頭でお伝えした通り、AtlasはアドサーバーでありながらDMPでもあるため、マーケターがクリエイティブに付与できる”その他のDMPタグ”は厳しく制限されています。Datalogix(Oracle)やNeustar(Neustarに関してはこちらの過去記事も併せてご覧ください)のタグはほとんどの場合、審査をパスすることができますがAdobe Audience ManagerやBlueKai(Oracle)タグの許可に関しては問題になることが多いようです。

アクアンティブ社(aQuantive)の一部であった頃からAtlasに勤め、現在は動画プラットフォームOoyalaのプログラマティック部長であるScott Braley氏は「Facebookの定義するオーディエンスを信頼し、Facebookのメディアスペース内でオーディエンス計測とターゲティングを行うのであれば上手くいくでしょう。問題は、マーケターが自社のファーストパーティデータをFacebookのデータと組み合わせ、より広範にプログラマティックバイイングを行おうとした際に、その機会が制限されてしまっていることです。」とAdExchangerにて語っている通り、”外部”のDMPを使う限り、顧客情報が”断片化”してしまうのが現状です。

アドサーバーのマーケットシェアを厳密に知ることは難しいですが、業界内ではDouble Clickが(動画を除いて)80-90%ほどのシェアを持っていると言われています。これだけDouble Click(およびそれを取り囲む業務プロセス)が根付いている中で、未完成のAtlasが直面している問題はかなり大きいですが、Facebookの持つポテンシャルを信じているマーケターも少なくありません。今後Atlasに足りない機能が追加されていくにつれて、マーケターがAtlasを採用する方向に流れるのかどうかに注目です。

参考:
Atlas Solutions

Facebook’s Atlas Struggles To Serve Its Market | AdExchanger

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