Facebookはどうやってクッキーを超えたクロスデバイス計測を提供しているのか。Atlasについて知っておきたい6つのこと

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消費者のスマホ移行がますます進む中、クッキー利用に代わる「クロスデバイスおよびオフラインのトラッキング」は、近年あらゆるプレイヤーが頭を抱えている問題の一つです。その中で、他のプレイヤーに先駆けて正確なターゲティングデータを提供しているのがFacebook。先月、BI Intelligence(Business Insiderのリサーチサービス)が「Atlasはどのようにモバイル広告を測定しているのか」というレポートを出していたので、今回は簡単にその要点をご紹介します。

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画像:Facebook’s Atlas Ad Server Report – Business Insider

レポートの中で特に押さえておきたい点として、下記の6つが挙げられます。

  1. FacebookのAtlasを使うことで、広告主はモバイルを含むオンライン広告全体の計測、ターゲティング、最適化を行うことができる(Facebook上の広告だけではない/AtlasはFacebookの個人情報にはアクセスしない)
  2. AtlasはCookieではなくAtlas Tag(上図参照)を利用しているため、デジタル広告のROIをより正確に計測することができる
  3. Atlasのゴールは、オフラインでの購入とモバイルおよびウェブで表示されたデジタル広告を結びつけること(そのためには広告主の顧客データまたはサードパーティのデータベンダーによる消費者データが必要)
  4. Atlasは特にモバイル広告の計測に強みを持っている(Cookieはモバイルアプリでは機能しない/AtlasはデバイスIDデータと匿名化されたFacebookログインによるユーザー識別データをマッチさせている)
  5. Atlasはセルサイドではなくバイサイド(広告主)のためのアドサーバーである(多くの大手ブランドおよび代理店がAtlasをすでに使っている、または検証している)
  6. Atlasの持つ極めて重要な”制約”の一つは、デジタルメディアのエコシステムからGoogleのDoubleClick利用を断ち切ることが非常に難しいということ(DoubleClickがそれだけ定着しているということ)

2014年9月のAtlasリローンチ(詳しくはこちらの過去記事)以降、Facebook以外のプレイヤーによる「クロスデバイスの正確なターゲティングデータを提供」を目的とした動きとして、OracleのDatalogix(およびBlueKai)の買収、TwitterのTellApart買収(詳しくはこちらの過去記事)、VerizonによるAOL買収などがありました(詳しくは関してはこちらの過去記事)。

その中でも注目はVerizonによるAOL買収でしょう。1億以上のIDをクロスデバイスでターゲティングできるというAOLが、Verizonの持つインフラ(15億台のデバイス/ソーシャルメディアのように”人気がなくなる”心配は少ない)を手に、Google、Facebookに次ぐオンライン広告業界第3位を狙っています。

Facebookとは違い、Verizonはピクセルではなく「ユーザー」とモバイルIDをリンクすることができます。Verizonの持つそれらのデータとAOLが今までに培ってきたIDグラフとをあわせることで、少なくとも米国内においてFacebookの競合となる可能性を十分に秘めているVerizon&AOLですが、業界内では「Verizon-AOLのM&Aは失敗に終わる」や「Atlasの脅威になるのは考えにくい」といった声も聞かれます。

Verizonが本当にFacebookの脅威となれるのか、そして、これからGoogleを含めた他のプレイヤーがどのようなクロスデバイス解析のトラッキング機能を提供してくるのか。引き続き目が離せません。

参考:
Facebook’s Atlas Ad Server Report – Business Insider

Verizon may have just put together a Facebook Atlas slayer | VentureBeat | Marketing | by Matt Keiser, LiveIntent

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