進みつづけるオンライン動画視聴。それでも進まないテレビ広告予算シフトの原因はこの4つ

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近年の動画ストリーミング対応デバイスとサービスの増加によって、テレビ視聴習慣は大きく変化しています。その結果としてオーディエンス(テレビおよび動画視聴者)の”断片化”が進む中、パブリッシャーや放送局はその変化に適応しつつ、オーディエンスを確保し、さらに増やすための施策を講じています。しかし、それらの変化とは対照的に、従来の広告予算の配分にはまだ大きな変化が見られません。そこでまず必要になるのが「”新しい”広告効果測定基準」であると、オンライン動画広告サービスを提供するVideoplazaの製品マネージャーMikael Mathison氏がAdExchangerにて伝えています。

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画像:Field of Streams: Digital Video and Quality Content Have Driven Continuous Consumption

ニールセンの調査を見ると、米国のオーディエンスは少しずつですが着実にリニアTV(スケジュールが決められた従来型のTV番組放送)から生放送やオンデマンドのストリーミングサービスを利用するようになってきていることがわかります(50歳以上を除く)。このテレビ視聴習慣の変化に広告費の配分がついてきていない理由として、Mathison氏は下記の4つを挙げています。

効果計測基準がそろっていない

広告主は長年に渡って「GRP(延べ視聴率)」を基にテレビ広告のリーチとフリークエンシーを計測してきました。これが広告主にとって馴染みのある基準であるため、GRPと一貫する指標をオンライン動画広告にも導入出来れば、より多くの広告費がデジタルに流れ始めるでしょう。

メディアバイヤーもパブリッシャーも、リニアTVとオンラインのマルチスクリーンにおける計測の一貫性を保つ必要性を十分理解しています。また、コムスコアとニールセンはそのためのソリューション提供に向けて動いています(参考記事:ニールセンに真っ向勝負!メディア分析のコムスコアがクロスプラットフォーム動画測定サービスの提供を発表)。

クオリティが担保できていない

計測基準だけでなく、ビューアビリティ(広告が見られたかどうか)も大きな懸念の1つです。Vindicoの調査によれば、2014年Q2に米国で配信された動画広告のうち、55%のインプレッションが業界基準のビューアビリティを満たしていなかったと言われています。つまり、米国ブランド企業が30億ドルほどオンライン動画広告に使っているとして、そのうちの少なくとも10億ドル分は全く見られていないと考えられます。

また、コムスコアの調査によればヨーロッパでも同じような傾向が見られており、スペインで51%、イタリアで50%、フランスで59%、イギリスで62%のインプレッションが見られていないという結果が出ています。

十分なプレミアム枠を確立できていない

一貫する計測指標とビューアビリティの確保に加えて、広告主や代理店は価値の高いプレミアム枠への広告配信を行いたいと考えています。現在、オンラインで大規模に広告配信出来るYouTubeやFacebookがその存在感を増してきているため、パブリッシャーとしては広告掲載面のクオリティを保証し、詳細なオーディエンスデータを提供することで、デジタルにシフトしてくる広告費をソーシャルメディアに奪われないようにしなければなりません。

オフライン/オンライン広告のパフォーマンス計測基準をそろえ、ビューアビリティを保証することで、パブリッシャーや放送局は彼らの持つ広告在庫をプレミアム枠として提供することができ、結果として広告在庫価値を保つまたは高めることが出来るでしょう。

オンラインならではのメリットを提供できていない

一貫する計測指標とビューアビリティのレポーティングは、デジタル広告時代の始まりでしかありません。それらを備えたプレミアムパブリッシャーがオーディエンスのターゲティング、予測、広告配信、レポーティングを”リアルタイムで”行えるようになった時、オンライン広告の本当の強みが発揮されるようになります。

そうなれば、ブランド広告主や代理店はクロスデバイスでオーディエンスの動きを見ながら広告を買い付け、キャンペーンの最適化をリアルタイムで行うことが出来るようになります。

オーディエンスのテレビ視聴習慣の変化に合わせて、広告費の配分を従来のテレビからデジタルに本格的にシフトさせるためには、メディアバイヤーが従来のテレビとその他デバイスにおける動画視聴をまとめて計測出来る業界基準を採用し、ビューアビリティの改善に努め、プレミアムな枠を確立した上で、オンラインだからこそ出来る機能の提供を行う必要があるでしょう。

参考:
Videoplaza

Field of Streams: Digital Video and Quality Content Have Driven Continuous Consumption
We Need New Standards In TV Ad Measurement – AdExchanger
Vindico Adtricity Data Report(PDF)
ComScore EU Lessons Learned(PDF)

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